内部不正による情報漏洩対策|原因と企業が今すぐ実践すべき3つの具体的アプローチ

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はじめに

企業の機密情報や個人情報を狙う脅威は、外部からのサイバー攻撃だけではありません。IPA(情報処理推進機構)の調査※によると、情報漏洩の原因として「中途退職者による漏洩」や「現職従業員の誤操作・不正」といった内部の要因が上位を占めるケースが後を絶ちません。

外部対策は万全でも、内部からの情報漏洩対策が手薄になっていませんか?

この記事では、企業にとって深刻なダメージとなり得る「内部からの情報漏洩」に焦点を当て、その原因から具体的な対策までを分かりやすく解説します。

(※参考: 情報セキュリティ10大脅威 2025 – IPA)https://www.ipa.go.jp/security/10threats/10threats2025.html

なぜ「内部」からの情報漏洩が起こるのか?2つの主な原因

内部からの情報漏洩は、大きく分けて2つの原因に分類できます。

1. 悪意による持ち出し(不正行為)

従業員や元従業員が、特定の意図を持って情報を外部に持ち出すケースです。

  • 退職時の持ち出し: 転職先での利用や私利私欲のために、在職中にアクセスできた顧客リストや技術情報を持ち出す。
  • 不満による漏洩: 会社への待遇や人間関係への不満から、腹いせに機密情報をSNSや掲示板に書き込む。
  • 金銭目的の売却: 個人情報や企業秘密を第三者に売却し、金銭を得る。

悪意のある従業員は、システムの抜け穴を熟知している場合が多く、発覚が遅れやすいという危険性があります。

2. 不注意や過失(ヒューマンエラー)

悪意はなくても、従業員の不注意や知識不足によって情報が漏れてしまうケースです。

  • メールの誤送信: 宛先を間違えて、無関係の第三者に機密情報を含むファイルを送ってしまう。
  • デバイスの紛失・盗難: 個人情報が入ったUSBメモリやノートPCを外出先に置き忘れる、または盗まれてしまう。
  • 安易な情報共有: テレワーク中のカフェや公共の場で、PC画面を第三者に見られてしまう。または、業務情報を安易に写真に撮って共有してしまう。

これらのヒューマンエラーは誰にでも起こり得るため、個人の注意喚起だけに頼る対策には限界があります。

企業が今すぐ始めるべき3つの情報漏洩対策

内部からの情報漏洩を防ぐには、「ルール」「人」「技術」の3つの観点から総合的に対策を講じることが不可欠です。

1. ルール(組織的対策):情報管理の体制を整える

まず、情報セキュリティに関する社内ルールを明確に定め、全社で共有することが基本です。

  • 情報セキュリティポリシーの策定: 何が機密情報にあたるのかを定義し、その取り扱い方法を具体的に定めます。
  • アクセス権限の最小化: 従業員の役職や業務内容に応じて、アクセスできる情報やシステムを必要最小限に制限します。
  • 退職者管理プロセスの徹底: 退職時には情報機器の返却を徹底し、アカウントを速やかに削除するルールを定めます。

2. 人(人的対策):従業員のセキュリティ意識を高める

ルールを形骸化させないためには、従業員一人ひとりへの教育が欠かせません。

  • 定期的なセキュリティ研修: 情報漏洩のリスクや具体的な事故事例、社内ルールについて学ぶ研修を定期的に実施します。
  • 入社・退社時の誓約書取得: 入社時および退社時に、守秘義務に関する誓約書に署名をもらい、情報管理に対する責任感を醸成します。
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3. 技術(技術的対策):システムで不正とミスを防ぐ

ルールや教育だけでは、悪意ある行動や万が一のヒューマンエラーを100%防ぐことは困難です。そこで、システムによる技術的な対策が重要になります。

  • 操作ログの監視: 「誰が」「いつ」「どの情報にアクセスしたか」を記録・監視し、不審な操作を検知できる体制を整えます。
  • データの暗号化: PCやサーバー内の重要データを暗号化し、万が一データが持ち出されても中身を読み取れないようにします。
  • 【特に有効な対策】スクリーンウォーターマークの導入

意外と見落とされがちなのが、PC画面を直接スマートフォンで撮影したり、スクリーンショットでコピーしたりする単純ながら効果的な漏洩手口です。

この「画面からの漏洩」に対して絶大な効果を発揮するのが「スクリーンウォーターマーク(電子透かし)」です。

スクリーンウォーターマークは、PC画面に「誰が」「いつ」操作しているかの情報(ユーザー名、PC名、日時など)を常時表示させることで、以下のような強力な効果をもたらします。

  1. 心理的な抑止力: 画面に常に自分の名前が表示されているため、「不正をしたら個人が特定される」という意識が働き、安易な情報持ち出しに対する強力な心理的ブレーキとなります。
  2. 漏洩経路の特定: 万が一、画面を撮影した写真やスクリーンショットが外部に流出しても、画像に写り込んだ透かし情報から、いつ、誰のPCから漏洩したのかを迅速に特定できます。

ヒューマンエラーによる意図しない情報共有の抑止にも繋がるため、悪意の有無にかかわらず、内部からの情報漏洩対策として非常に有効な一手です。

まとめ:多角的な対策で企業の未来を守る

内部からの情報漏洩は、企業の社会的信用や事業継続に深刻な影響を及ぼす重大なリスクです。

このリスクから会社を守るためには、「ルールの整備」「従業員教育」、そして「システムによる技術的対策」をバランス良く組み合わせ、多層的な防御壁を築くことが重要です。

特に、テレワークの普及により目の届きにくい場所での業務が増えた今、画面からの情報漏洩を手軽かつ効果的に防ぐ「スクリーンウォーターマーク」の重要性はますます高まっています。

情報漏洩対策の強化を検討されているご担当者様は、ぜひ弊社のSecureWatermarkの導入をご検討ください。貴社の情報資産を内部の脅威から守る、強力な一手となります。

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